ソフトバンク・楽天の決算資料から電子決済アプリの今後について考察してみます。
イーコマース・証券などの複合サービスを提供できる2社が電子決済業の覇権をとる可能性が非常に高いと筆者は考えます。
2019年10月のキャッシュレス決済状況
増税後はキャッシュレス還元の効果もあり、クレジットカードを除くキャッシュレス決済が増加しています。
ソフトバンクの2Q決算発表では年間取扱高 2.95兆円(2018年度実績)となっているので8兆円規模の取扱高に落ち着くと思われます。
QRコード決済業者ではPayPayが最も多く63.8%となっています。
PayPayの収益モデルについては、過去記事にまとめていますのでよろしければご確認ください。
ただし、電子マネーの利用では楽天Edyが最も多くQRコード決済だけでなく電子マネーも含めるのであれば楽天がシェア1位とも言えます。
電子マネーを絡めたサービス展開戦略
ソフトバンク-PayPay
ソフトバンクは中国のAliPay、インドのPayTmと連携していることからワールドワイドでのマーケットシェアが圧倒的です。
国際送金に仮想通貨リップル(XRP)を使用すると発表があったことから、元⇔円、ルピー⇔円などの観光客の需要を一気に取り込むことを想定していると思われます。
必然的に導入店舗は急拡大が見込まれます。決済サービスは8万店舗(2019年9月時点)
なお、金融サービスについては、今後の取り組みとして行うよう決算資料に記載がありました。
ZOZO買収に伴い、イーコマースがどれだけ成長するかがカギとなります。
楽天 edy
楽天は電子マネー・ポイントを利用して、投資を行える楽天証券を持っています。
還元率もポイントとカードで二重取りできることから、還元率も高くなっています。
ソフトバンクと比較してすでに銀行・証券部門を持っていることが強みとなります。
モバイル事業への参画もおこなわれ、5G戦略もとっていますが、個人的には楽天の決算資料からは、全体論としての戦略が見えづらく思います。
ユーザー数比較
PayPayはキャンペーンの成果もあり、国内最大規模のユーザーを達成しています。
楽天はカードの登録者数は公表していますが、QRコードについては発表していません。カード登録者数1,800人とQRコード登録者数が合算されると思いますが、ほとんどが重複のユーザーになると思いますので(楽天カードが一番割がよく、Edyも付与されているため)ここではカード数を登録者数とみてよいと考えます。
Line-Payはグローバル5000万人との決算資料にありましたが、市場規模を見るに、おそらくLineアプリの登録者数…でしょうか、おそらく本人認証の500万人がただしいように思います。
終わりに
今回は短めの記事となりますが、楽天とPayPayの比較を行いました。
正直3位のLineを買収したほうがキャンペーンより安くつく可能性は大です。
今後はキャンペーンというよりも連携したサービスの充実がカギになる気がします。
※ 11/14日現在、LINEとソフトバンクの経営統合が発表されました。
アクティブ500万ユーザーがPayPay市場に参入することになります。
くまねこはQRコード決済を応援しています。