WeWork騒動に続き、ソフトバンクグループが出資するビジョンファンドのOYOにも暗雲が立ち込めています。
そもそもOYOとはどのような会社なのでしょうか?
OYOの歴史
2012年リテシュ・アガルワルはホテル予約サイトOravel Staysを立ち上げました。
その後、3ヶ月間旅行しホテル・民宿・ゲストハウスなど100軒以上にわたる宿泊施設を体験しました。
インドのホテル業界は低品質のベッドリネン、掃除の行き届いていない洗面所、質の低いスタッフなどが快適な旅行を妨げている問題点を痛感し、2013年5月にOYOを立ち上げました。
立ち上げ後、PayPalの創業者ピーター・ティールが運営するティール・フェローシップより10万ドルの助成金を受け取ります。
OYOはホテルと提携して一部の部屋を借り、無料Wi-Fi、朝食、エアコン、テレビをふくむ30項目のチェックリストを独自に作成し基準を満たしているホテルをOYOブランドとして提携しています。
現在はホテルを丸ごと借りて運営するサービスも提供しているようです。
現在、OYOは世界で17,000人以上の従業員を擁しています。うち、約8000人がインドと南アジアにいます。ホテルの接客向上のためのために26のトレーニング機関を設立しました
OYOの提携ホテル数は世界3位
2019年4月には客室数が63万6000室で世界第6位のホテルチェーンだったが、6月には85万室に至って世界第3位へランクアップ。わずか2か月でアコーホテルズ、ウィンダム ホテルズ アンド リゾート(Wyndham Hotels & Resorts)、インターコンチネンタル・ホテルズ・グループを追い抜き、第3位へと躍進しました。
今後、ナンバーワンになるためには、ヒルトン・ホテルズとマリオット・インターナショナルを追い抜く必要があります。
オヨの設立者兼CEOであるリテシュ・アガルワル氏は今後の展開について
「格安ホテルチェーンである同社は、2023年までに客室数が東南アジアだけでも200万室を超える見通しだ。つまり、われわれは世界最大の規模、収益、利益を誇るホテルチェーンになる」
と語っています。
マリオットは現状、130万室であり、OYOが注力する中国事業が軌道にのれば追い抜くのは遠い未来ではありません。
OYOのIPOは?
2019年3月期(19年度)に2,384兆ルピー(3695兆円)の損失を報告しました。これは昨年に比べて6倍です。損失の増加は、営業費用および従業員関連費用の増加によるものです。
また、評価レポートは、6月時点で同社のマネー後評価を53億2,000万ドルに固定しました。
インドのビジネスの評価額は11億8,000万ドル、
中国のビジネスは9億9,100万ドル
日本のビジネスは2億5,670万ドル
そしてシンガポール、マレーシア、米国などのその他の国々は11.2億ドル
と評価されています。
2019年7月、OYOは今後2、3年以内にIPOを探していると推測されました。
しかし、後にCNBCとのインタビューで 、同社は事業拡大に焦点を合わせているため、IPOの計画はないと述べています。
OYOが利益を上げることは、上場を計画している場合に重要ですが、2022-23年までに利益を上げることは可能でしょうか?
レポートによると、Oyoのインド事業は2021年まで損失を出すといわれています。
事業発展のため損失をだしているため直近でのIPOはなさそうですが今後のIPO時には多大な評価を得る可能性はあります。
そのためには世界一位のホテル業者を目指してほしいものです。