5G Iot 自動運転

1Gから5Gまで移動通信の歴史をふりかえる

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トヨタが都市づくりを発表しました。

様々なモノがインターネットに繋がっていくIot時代へ突入していきますが、移動通信システムの進歩とはどのようなものだったのでしょうか

5G(Five Generation)の国内サービス開始が騒がれる今日この頃、そもそも5G以前のサービスがどのようなものか理解していないかたは多いのではないでしょうか。

5Gがどのようなものかを説明するため、旧世代の移動通信について解説していきたいと思います。

 

1Gの時代

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旧来、日本の車内通信システムとして、警察や消防が使用する無線がありましたが複信方式の無線機を単に有線網に接続しただけの代物であり、移動通信システムとしては少し違います。

第一世代移動通信システムとして日本では自動車電話が挙げられます。

800MHz帯の周波数を割り当てられ、1979年12月より電電公社(NTT)がサービスを開始しています。

1985年に電電公社が民営化されたことに伴い、トヨタ系移動通信会社(IDO)と京セラ系の第二電電(DDI)がサービス参入し価格が安価になっていきます。

しかし、IDOとDDIでは使用する通信方式が異なっていたため、同一のネットワークとしてつなぐことができませんでした。

そこで、IDOとDDI間でローミングを行い、ネットワークの違いを埋めることとしました。

現在でも海外と日本では通信事業者が違うと通信ができなくなるため、国際ローミングというものを行っていますが、1G時代は国内でもそのような状態となっていました。

ローミング

事業者間の提携により、利用者が契約しているサービス事業者のサービスエリア外であっても、提携先の事業者のエリア内にあれば、元の事業者と同様のサービスを利用できる

2Gの時代

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第二世代移動通信システムの時代にはデータ通信が可能となりメール・インターネットが可能となりました。

この時代のメールは文字数制限がありSMSを思い浮かべて貰ったほうが実態のイメージとは近いです。

2G時代ではPDCという方式を使用していました。

NTTではmovaという種類で導入されていました。

世界200か国以上で使用されたGSMよりはるかに高効率で電波使用をしておりましたが、日本はガラパゴス化しており国外への普及はできていなかったといえます。

これはPDCが策定された1985年には日本電電公社が世界に向けて販売することを規制した通称NTT法と呼ばれるものの存在があったことが大きく技術力に反して普及ができませんでした。

3Gの時代

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NTTが使用していたW-CDMA方式(Foma) auが使用していたCDMA方式を利用した第三世代移動通信システムは世界に先駆けて2001年に日本で導入されました。

144kbps(高速移動時)、384kbps(低速移動時)、2Mbps(静止時)の通信が可能となり、テレビ通話などの大容量通信が可能となりました。

スマートフォンのiPhoneが登場したのはここからです。

2010年にはドコモよりXiという3.9G世代のLTEが誕生していました。

世界的には2G時代のGSM設備を利用して3Gに対応したいとの意向が強く、国際的にローミングができるよう、5つの方式に分類されました。

4Gの時代(現在)

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第4世代移動通信システムの特徴は50Mbps - 1Gbps程度の超高速大容量通信を実現し、IPv6に対応し、無線LANやWiMAX、Bluetoothなどと連携し固定通信網と移動通信網をシームレスに利用できるようになりました。

高速通信帯である周波数は3Ghz帯を利用するため、ビル影などへは電波が入りづらくなります。

(高校物理の話になりますが、波の性質は高周波数であるほど直進性が高く高パワー

低周波であるほど回り込み(回折)しやすいという特徴があります。)

NTTドコモはLTE-Advanstとして2011年に仕様確定し2015年よりサービスを開始しています。

5Gの時代と5Gがもたらすもの

5Gでは大容量通信・低遅延・多接続が世間でよく聞くワードだと思います。

5Gは4Gに比べて通信速度は20倍、遅延は10分の1、同時接続数は10倍になるといわれています。

4K画質の映画が2秒でダウンロードできる、など速度に関する話は聞いたことがあると思いますが、重要度は遅延と同時接続数も負けてはいません。

5Gでは高周波帯を使うため、基地局の数は4Gよりはるかに多数が必要となります。

また、総務省の方針により、人口カバー率から面積カバー率へ指標が変更となるため、大都市よりも遮蔽物の少ない田舎に設置するほうが有利となります。

Iotや自動運転車など、2020年代の5G 普及にあたり、現在とは比較にならないほど同時接続端末が増えます。

5Gでは広域のキャリア通信網のほか、工場単位などのプライベート5G(ローカル5G)でセンサー機器を制御します。

各種センサーデータによる自動化が可能になるという点です。

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ローカル5G 出典:https://iot.kddi.com/column/local-5g/

モバイルエッジコンピューティングとは

現在はビッグデータをクラウド上のサーバーにて分散して処理していますが、5G時代にはセンサーデータが大量に通信されます。

広域移動通信網を支える光回線がパンクしないよう、モバイルエッジコンピューティングという技術が重要とされています。

モバイルエッジコンピューティングとは、ビッグデータをインターネットサーバーで処理するのではなく5Gに接続する端末同士で処理する仕組みです。

処理をエッジ側で実行できる機能等を搭載したルーター等のネットワーク機器が流通することで実現していくため、CISCOを中心としたルーターについても更新が進められています。

(シスコシステムズでは、エッジコンピューティングをフォグ(霧)コンピューティングとして提唱しています。)

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出典:総務省 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc122320.html

自動運転車においても、現在は前方車両の距離や白線検知を処理してレベル2の自動運転を実現していますが、通信環境に依存して自動運転車が止まる、といったことがあってはいけません。

自動運転のセンサーデーターは広域網で処理するのではなく、車車間通信で各種センサー情報を処理します。

自動運転のセンサーについては過去記事を参照ください。

>>自動運転に必要な要素技術はこちら

実際の実験・実証事例は次回にとりまとめ、実際にどのように世界が変わっていくかを予想していきます。

2020年1月11日追記

>>5Gの実際の実証事例はこちら

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