さて前回記事では1Gから振り返り5Gまでの過程を説明しました。
今回は企業が行っている実証データをもとに、どのように5Gが活用されていくかをリサーチしました。
我々の世界はスマホが早くなる、だけではなく様々なモノがインターネットに繋がっていく中で大きな変化が発生します。
今回は実証実験例をもとに具体例を挙げて説明していきます。
Contents
KDDI×大林組「無人建機を遠隔操作する」
遠隔操作・低遅延を利用した5Gの活用事例です。災害現場を含む工事現場にて、無人の建機をオペレーターが操作します。
危険な工事現場での作業を無人化することでオペレーターが粉塵の多い場所や臭気のある場所に行かなくても済むことから、悪条件から建設技能者を守り、担い手不足の解消にも役立つと考えられます。
また、将来的には東京-熊本など遠隔地での操作も視野にいれており、技術者不足を解消する手段として検討されています。
https://time-space.kddi.com/kddi-now/tsushin-chikara/20180313/2266
KDDI×小田急電鉄「駅の空いてるトイレが分かる」
様々なものがインターネットに繋がる世界の中で、ユニークなものとしてトイレがあります。
ドアの開閉をセンサーで取得することでトイレの空き状況が可視化されます。
ニュースリリースの中では、駅構内のトイレの込み具合が地図上で表示されています。
KDDI×JAL「点検作業の遠隔実施」
VR・ARを利用して、作業者に装着されたカメラを通してベテラン作業者が指示を出します。
作業者は効率的に作業学習することができます。
5Gの低遅延を利用したユースケースとなります。
4K以上の高画質で判断できることからWifi環境以上の高精度を実現可能です。
究極的には無人機とディープラーニングにより点検の自動化なども視野に入れているのではないでしょうか。
KDDI×JAL「搭乗ゲートの自動化(タッチレス搭乗ゲート)」
指向性を持った28Ghz帯の認証信号により、ゲートを通過する5G対応端末を持った顧客の認証を行います。
従来ではスマホに表示したQRコードを読み取り機にかざすことで認証をおこなっていましたが、機器を手元に用意する必要がなくなります。
タッチレス搭乗ゲートの実証結果は鉄道などにも応用できるのはないでしょうか。
近い将来、Felica定期券では無く5G端末が定期券となるのかもしれません。
KDDI×セコム「ドローンやロボットによる自動警備」
ドローンや警備ロボットを5G通信網を使って警備します。
管理室から一元管理を行うことで死角を減らしながら広域を監視できる警備システムや、高精細なカメラ映像を用いたリアルタイムな監視体制の構築など、異常の早期発見を可能にします。
KDDI総合研究所が独自に研究開発した行動認識技術を活用し、オンサイトセンターで受信した4K映像に映る人物を検出。検出した人物の18箇所の骨格点を深層学習により抽出し、骨格の動きから人物の詳細な動きを認識します。
これにより、不審者や体調不良で倒れた人、暴動の発生など、AIがリアルタイムに異常を認識することが可能となります。
NTT× 和歌山県立医科大学「遠隔医療実証」
移動診療車に医科大の医師が乗車し、車内の高機能な医療機器を用いて医科大の専門医に患者の情報を伝送。専門医は高精細映像やタイムラグのないスムーズな通信下で診察ができるようになります。
診療用車両には4Kカメラ、心電図、高機能エコー(心エコー)が配備され専門医と患者をシームレスでつなぐことが出来るようになります。
ソフトバンク×三菱地所「避難所状況の可視化」
三菱地所とソフトバンクにて2カ所の避難所に設置したIPカメラの映像を5Gネットワークを通して伝送し、MECサーバ上でAI処理することで「避難所内の避難者数、救護者数、属性(性別、年代など)の判定」「避難所の混雑状況」「顔認証による救護者の識別」「要救助者の検知」などの情報をモニタールームでリアルタイムに可視化しています。
災害時には通信回線がパンクするのはよくあることですが、ローカル5Gを利用することで広域通信網に依存せずシステムを利用することができます。
5Gの活用により、Iotがある意味当然な社会になっていきます。
現在もセンサーを導入し工場を高度化するなどの事例はありますが、より身近なものがインターネットに繋がっていくことが想定されます。
通信キャリアは個人向けの契約のほか、Iot用の通信プランで法人向け売り上げが加速することが想定され、省人化・コスト削減が加速するものとみています。
現在は実証段階ではAiによる自動認識はあまり活用されていないように思えますが、センサーのビックデータを集めていく中でAIソリューションも重要になるものとみています。