PER・PBRは何なのか
PER・PBRで割安株を買う
業種別に割安株を狙う
Contents
PER(株価収益率)とは?
PERとは株の割安度を示す指標です。
会社の株価と純利益を比較して株価の割安度を示します。
計算式は
PERの計算式と求め方
■PER(株価収益率)=時価総額※÷純利益
(=株価÷1株あたりの利益〈EPS〉)
で求められます。
例えば、PERが10倍であれば、純利益の10倍の価格で株が買われていることになります。
また、EPS(一株当たりの利益)と株価で算出することもできます。
実際は時価総額はだすのが面倒なためこちらを使用するのが一般的です。
何年で現在の株価の収益となるか?を見ることができます。
PERが増減する要因は大きく分けて二種類あります。
ひとつは、株価の下落、もうひとつは純利益の増大です。
PERの目安は15倍以下
日本のPERの平均(目安)は15倍とされています。
つまり15倍以下ならば割安といわれています。
ただしリーマンショックのような荒れ相場の場合は一時的に株価が下がることでPERが割安になることがあります。
また、PERは株主の期待値とも言え、業績不安定な会社のPERが低いと言っても買い時ではありません。
PERで底を見るのは難しいところです。
PERは株価の下落、純利益の増加で減少する
PERは15倍以下が割安かの目安
世界的な荒れ相場の場合、PERだけを目安に買うのは危険
PBR(株価純資産倍率)とは?
PBRとは、企業の資産状況から株価の価値を算出する指標です。
PBRの計算式と求め方
■PBR(株価純資産倍率)=株価÷1株あたりの株主資本(BPS)
BPSは純資産÷発行株式数で求められ、高いほど財務は健全といえます。
PBRの目安
PBRが1倍以下だと会社を精算して資産を分配したほうが株主利益になる水準と言えます。
ただし後述する、業種別の平均と見比べて割安かどうかを判断します。
PBRでは実際に保有している資産をもとに算出されますが
財務諸表における資産のほか、特許や目に見えないブランド力という価値も存在します。
PBRは1倍を割ると会社清算したほうが株主利益となる
業種ごとの平均と見比べて割安かを判断する
財務の資産だけではなく、目に見えない価値も企業には存在する
PER・PBR業界別平均
2020年5月11日時点の業界別上場企業平均をまとめました。
業界で平均化したものと日経上場企業を平均したものでは乖離があります。
業界全体でPBRが1倍を割っている場合、PER15倍・PBR1倍の目安はあまり役には立ちません。
業界の中で業績を判断して投資していく必要があります。
PER(平均) | PBR(平均) | |
水産・農林業業界 | 23.1 | 1.3 |
鉱業業界 | 8 | 0.4 |
建設業業界 | 13.6 | 1.2 |
食料品業界 | 28.2 | 1.7 |
繊維製品業界 | 22 | 0.9 |
パルプ・紙業界 | 341.8 | 21 |
化学業界 | 21.4 | 1.3 |
医薬品業界 | 87.2 | 3.7 |
石油・石炭製品業界 | 21.4 | 0.7 |
ゴム製品業界 | 24.9 | 0.8 |
ガラス・土石製品業界 | 15.2 | 0.7 |
鉄鋼業界 | 14.7 | 0.4 |
非鉄金属業界 | 20.1 | 0.7 |
金属製品業界 | 14.4 | 0.7 |
機械業界 | 24.1 | 1.0 |
電気機器業界 | 45.8 | 1.3 |
輸送用機器業界 | 28.7 | 0.6 |
精密機器業界 | 414.8 | 2.5 |
その他製品業界 | 27.4 | 1.4 |
電気・ガス業業界 | 17.7 | 1.0 |
陸運業業界 | 20.7 | 1.2 |
海運業業界 | 67.6 | 0.6 |
空運業業界 | 9.3 | 0.9 |
倉庫・運輸関連業業界 | 15.1 | 1.2 |
情報・通信業業界 | 71.6 | 5.5 |
卸売業業界 | 23 | 1.1 |
小売業業界 | 43.7 | 10.4 |
銀行業業界 | 10.1 | 0.3 |
証券、商品先物取引業業界 | 10.4 | 0.9 |
保険業業界 | 23.9 | 1.8 |
その他金融業業界 | 19.2 | 1.6 |
不動産業業界 | 13.5 | 1.2 |
サービス業業界 | 33.6 | 3.2 |
まとめ
今回の記事では
2PBRの割安度の目安1倍以下
3業種別の平均PER・PBR
を説明しました。
どちらかというと中長期向けの戦略で使用する指標となります。ですが株の入門用指標としては覚えておくべき指標です。